こどもは基本的にいびきをかきません。もちろん寝息が多少荒い位なら心配いりませんが、激しいいびきをかいたり、寝ている時に息苦しそうにしている場合は注意が必要です。
「寝る子は育つ」とはよく言ったものですが、過度のいびき、無呼吸を発症しているお子さんは深い眠りにつくことができません。睡眠と成長ホルモンの分泌には深い関係があり、深い睡眠をとることが出来ないこどもは成長ホルモンの分泌が阻害され、成長・発達に影響があると言われています。
注意すべき症状として
上記のうち、2つ以上当てはまる場合は要注意です。
こどもが激しいいびきをかく原因として
などが挙げられますが、肥満も関与する場合もあります。
アデノイド肥大とは、鼻から喉の奥に当たる上部にある「アデノイド」という器官が通常より大きい状態です。アデノイド肥大はこども特有の病気で、何が原因で大きくなるのかはっきりとはしていません。
扁桃肥大も、同様に扁桃腺と呼ばれる喉の両側にある器官が肥大している病気です。
アデノイドも扁桃腺もこどもの頃に最も大きく、その後は徐々に小さくなっていく器官です。
治療方法には、手術治療と保存的治療があります。
ただし、アデノイド肥大、扁桃肥大、共に物理的に気道を遮断してしまっている状態であることから、小児の無呼吸症候群の治療には手術治療が第一選択となります。アデノイド切除と口蓋扁桃摘出術によりいびき、無呼吸の症状は著明に改善します。手術時期は、アデノイドと口蓋扁桃の生理的肥大時期である3~6歳に行うことが多いです。
手術は全身麻酔下に行い、入院期間は約1週間です。
保存的療法としてはアレルギー性鼻炎、アデノイド肥大に対して抗ヒスタミン薬(アレロック等)、抗ロイコトリエン薬(キプレス等)、ステロイド点鼻(ナゾネックス等)を投与いたします。
最近の研究ではそれらの投与により、アレルギー性鼻炎の改善はもとよりアデノイドが縮小されるケースが報告されています。
まずは保存的療法を3か月間行い、無効な症例に対し手術療法を当院では薦めています。
こどものいびきが気になる場合には、まずは一度ご相談下さい。